ATPワールドツアー・ファイナルズ 準決勝
マレー VS ラオニッチ
この大会前、ラオニッチは怪我の状態が不安視
されており本命視はあまりされていませんでした。
第1セットラオニッチは自身の武器であるサーブが好調。
サーブだけで取ったゲームもあり、ブレイクされる気配
がありませんでした。マレーはブレイクのピンチはあるものの
ブレイクポイントは簡単には渡しません。しかし第11ゲーム、
マレーにミスが出て遂にラオニッチがブレイク、そのまま第1セット
を奪取します。
第2セットに入り、第3ゲームをブレイクしたラオニッチがこのまま
押し切れるかと思いきや、次のゲームをマレーが早々と返し、振り出し。
第1セットでは一撃で決めていラオニッチのショットですが、やや鈍ったか
又はマレーが速度になれ追いつけるようになったのか、ショットを打ち
前に出てもマレーが難しいコースに返すのでそれが失点に繋がってしまいます。
このセットはタイブレークまで行き、最後はネットプレーで力を見せた
マレーが取り返します。
そして第3セット、両者素晴らしい攻防を見せます。第9ゲームを先に
マレーがブレイクした際にはこれは決まりかと思われましたが、
ラオニッチも次のゲームをブレイクで取り返しました。このゲームを
見るにラオニッチはジョコビッチ、マレーの持っている負けないための
底力を得てきているように見えました。
そしてこのセットもタイブレーク。それは死闘でした。どちらが勝つか
最後まで読めない白熱した展開。最後の最後はラオニッチがネットに
ボールをかけマレーが決勝へと駒を進めました。
マレー 2-1 ラオニッチ
ジョコビッチ VS 錦織
前日のチリッチ戦第2セットから糸が切れたように勢いがなくなってしまった
錦織、今日はいかに立ち直れるかが鍵でしたが、やはり新たに勢いを
つけるのは難しかったようです。まして相手はジョコビッチで、隙を与えて
くれませんでした。前回ラリーでマレーは押し込んでいたのが、今回は
ラリーでジョコビッチに押されてしまっていました。打開できぬまま試合が
どんどん進み、結果ジョコビッチが圧勝して決勝に進みました。
ジョコビッチ 2-0 錦織
決勝は ジョコビッチ VS マレー となりました。
年間一位がかかる最後の大一番です。
ずっと一位二位の二人ですが今期はここまでジョコビッチ3勝マレー1勝の
計4戦しかしていません。一番最近が6月の全仏オープンで、ジョコビッチが
念願のキャリア・グランドスラムを達成して以来になります。
つまりマレーがポイントで追いつき追い越した間は対戦がありません。
本当にマレーがジョコビッチに力で追いつき追い越したのか、
それともたまたま空席の一位に少し座っただけのなのか
一試合ですべて決まるというのは違うかもしれませんが
それだけ本当に色々な事を考えられる試合となります。
マレーは準決勝フルセット、ほぼフルゲームを戦ったのに対し
ジョコビッチはほぼ一時間終わらせているのでここがどう影響
するかもありますが、試合はマレーが先に行っているので影響なく
二人の全力全開が見られるのを祈るばかりです。
今期の最終戦に相応しい決勝戦、注目です。